『未来のミライ』がアニー賞の理由はなぜ?海外の評価は?面白くないと日本では低評価だった!? 

2018年に公開された、細田守監督の作品『未来のミライ』が「アニメ界のアカデミー賞」と位置づけられているアニー賞の長編インディペンデント作品賞を受賞しましたね!

しかし、この報道を受けて日本では「え、なんで?」「面白くないのになぜ?」という声も多かったみたいです。

実は日本では低評価が多く聞かれた作品でもあったんですね。

ということで今回は『未来のミライ』がアニー賞を受賞した理由はなんなのか?海外の評価を見ながら考えていこうと思います!


『未来のミライ』あらすじ

とある都会の片隅の、小さな庭に小さな木の生えた小さな家。

ある日、甘えん坊の“くんちゃん”に、生まれたばかりの妹がやってきます。
両親の愛情を奪われ、初めての経験の連続に戸惑うばかり。
そんな時、“くんちゃん”はその庭で自分のことを「お兄ちゃん」と呼ぶ、
不思議な少女“ミライちゃん”と出会います。

“ミライちゃん”に導かれ、時をこえた家族の物語へと旅立つ“くんちゃん”。
それは、小さなお兄ちゃんの大きな冒険の始まりでした。

待ち受ける見たこともない世界。
むかし王子だったと名乗る謎の男。
幼い頃の母との不思議な体験。
父の面影を宿す青年との出会い。

そして、初めて知る「家族の愛」の形。

さまざまな冒険を経て、ささやかな成長を遂げていく“くんちゃん”。
果たして、“くんちゃん”が最後にたどり着いた場所とは? 
“ミライちゃん”がやってきた本当の理由とは―
『未来のミライ』公式HP

この作品は細田守監督の実際の子どものことや家族観を考えながら書いた作品だそうです。

今までくんちゃん一人で愛情を自分にだけ注がれていたのに、妹のミライちゃんが生まれてからというもの、その愛情を奪われてしまったと感じ嫉妬してしまいます。

そんなときに未来から大きくなった妹のミライちゃんがやってきて・・・

少しファンタジー要素もありながら、4歳の子どもくんちゃんがお兄ちゃんとして成長していく姿が描かれています。

『未来のミライ』がアニー賞の理由はなぜ?海外の評価は?

『未来のミライ』は日本ではあまり良い評価を受けていませんでした。

低評価声はこんな感じ。

  • 微妙
  • おもしろくない
  • 描きたいものをぐっちゃぐちゃに詰め込んでこのまま出してるような印象
  • 全体的としてはストーリー性に欠け印象に残らない
  • 壮大なタイムスリップをしてる割に成長が小さすぎて・・・
  • くんちゃんの声に違和感

ではそんな『未来のミライ』がアニー賞の長編インディペンデント作品賞を受賞した理由とはなんなのでしょうか?


海外の反応

フランスのルモンド誌

「伝統的なフィクションが、幼い子どもを演出することを苦手としている中で、(日本の)アニメ映画の特性は、幼い子どもの直感的、あふれるかわいさのある動きをとらえていることにある」

「家の中からほぼ出ないこの映画の美しさは、身振り手振り、幼い子どもの態度や表現(階段を降りる、自転車に乗る、大人の注意を引こうとする、突然激しく怒り出す)についての繊細な観察ができていることだ」

ラジオ局 フランス・アンフォ

「アニメそのものを超えて、彼(細田監督)が建築や都市装飾に取り組んだときの『未来のミライ』の描写は驚嘆すべきものである」

アヌシー国際アニメーション映画祭

どのシーンをとっても美しくグレート。
子供たちの可愛らしさに惹き込まれました 家族のつながり、子供の持つ繊細で複雑な心の描き方が素晴らしかった。
細田監督の映画はどれもですが、『未来のミライ』はとりわけ個性的。
子供にとってはエンタテインメントなのに、大人にとってはインテリジェンスなところもあって、とても気に入りました。

他の反応

未来のミライは物語の構成の面で非常に実験的な映画だ
間違いなくノミネートに値する

といった感じです。

他のコメントなどもみて僕がやはり一番評価されたと思うのはくんちゃんの表現の仕方ではないかと思います。

「未来のミライ」の画像検索結果

© スタジオ地図

一般的なアニメでは4歳児や5歳児といった子どもが主人公である場合、年齢不相応な大人びた精神をもった子どもを描くことが多いのではないかと思います。(クレヨンしんちゃんとかボスベイビーみたいな)

というかそうじゃないとストーリーが進まない感じ?といったものでしょうか。

しかしこの作品では、くんちゃんは ”ヤキモチを焼いて拗ねて暴力的になって”と「4歳児そのもの」を描かれており、普通のアニメのように上手くは進まない感じがします。

そんなくんちゃんだからこそ、海外でも共通した4歳児という子どもの心というものが共感を呼び受け入れられたのではないでしょうか?

逆にこれが大人びた精神を持っていて、日本人的な考え方を持っている子どもだったら共感も呼ばないし受け入れられなかったと思います。

そんな4歳の子どもが何度も何度も成長しかけて、元に戻って、また成長してというある意味実験的なストーリーや表現が描かれたことによって海外では新鮮なアニメとして評価を受けたんじゃないかなっと思います。

最後に

いかがでしたか?

日本では低評価気味だった『未来のミライ』でしたが、海外では日本人にしかできないような繊細さや表現が受け入れられたのかもしれません。

日本にいるとそういった繊細さがわからなくなってしまうのかもしれませんが。

何はともあれ、アニー賞を受賞したのは日本人として誇らしいことで、これからも細谷監督には世界を圧倒するような作品を作っていただきたいです!


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